観音正寺の歴史
推古天皇の時代、近江を遍歴していた聖徳太子は琵琶湖から現れた人魚に出会います。人魚は「前世は漁師で、殺生を仕事にしていたので、人魚に生まれ変わりました。繖山にお寺を建てて、成仏させてください。」と懇願してきました。聖徳太子は願いを聞き入れ、自ら千手観世音菩薩像を彫り、堂塔を建立したそうです。
こうして日本唯一の人魚のために建てられたお寺「観音正寺」は創建されました。
鎌倉・室町時代には近江国守護職・佐々木六角氏の庇護を受け、33の塔頭を擁するほど隆盛したそうです。
しかし応仁の乱以降、兵乱に遭ったり、観音寺城の拡張に伴い、守護上の障害になると麓に移設されるなど苦難にさらされます。
永禄11年(1568年)織田信長に六角氏が滅ぼされ、慶長11年(1606年)に現在の位置(繖山山頂)に再建されるまで荒廃していたそうです。
明治時代になると彦根城の欅御殿を貰い受け、移築し本堂としましたが、平成5年(1993年)本堂と本尊が火災により焼失しました。
平成16年(2004年)新しい本殿が落慶、インドから特別に輸入された白檀で彫刻された本尊が開帳されました。
観音正寺の見どころ
駐車場から参道を進むと、山門の代わりに仁王像が迎えてくれます。
平成16年(2004年)に新しく建てられた本堂ですが、同じく新しく再建された御本尊は、インド政府に特別な許可を頂き輸入された香木「白檀」の原木23トンを使用して作られたもので、本堂の中は白檀の香りに包まれた安らぐ空間です。
奥の院は巨木の中に「天楽石」と名付けられた石があり、聖徳太子が彫ったと伝わる妙見菩薩を中心に五仏の仏さまが描かれています。
境内からは安土の町が一望でき、安土城のあった安土山や西の湖など大パノラマが広がっています。
観音正寺の写真
長命寺のデータ
宗派:天台宗 単立
御本尊:千手千眼観世音菩薩
ご詠歌:あなとうと 導きたまえ 観音寺 遠き国より 運ぶ歩みを
所在地:〒521-1331 滋賀県近江八幡市安土町石寺2
拝観時間:8:00~17:00
入山料:大人500円 中高生300円 小学生以下無料
駐車場:あり
公式ホームページ:
https://kannonshoji.or.jp/
(2025年12月現在の情報)
←第三十一番札所・西国三十三カ所巡礼TOP・第三十三番札所→